遺産分割の落とし穴。行方知れずだった腹違いの兄弟が、亡くなった父の遺産分割を要求!
2022/07/29
遺産分割の落とし穴。行方知れずだった腹違いの兄弟が、亡くなった父の遺産分割を要求!
ご相談当時の状況
- 亡き父親のBさんは再婚で、前妻との間にご子息がいる
- 家庭裁判所で不在者財産管理人の選任申し立て
- 遺産分割協議に印鑑証明書を提出には住民登録が必要
父親であるBさんが亡くなっている。相続人はAさんと腹違いの兄弟Cさんがいることが判明
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亡き父親Bは再婚で、離婚した前妻との間には行方知れずの子どもが。
現在、妻Aさんと長女Dさんが同居、長男Cさんとは20数年音信不通の状態が続いております。 そういった心配もあったのでしょう、被相続人Aさんは、自筆証書遺言を残しておりました。 検認手続も行い、いざその遺言を見せていただくと、「土地・建物は妻Aと長女Dに2分の1ずつ譲渡する。」と書いてありました…。
家庭裁判所で不在者財産管理人の選任申し立てをすると、Cが実家の土地・建物の遺産分割の権利を主張!
家庭裁判所で不在者財産管理人の選任申し立ての手続きをとったところ 家庭裁判所の捜査能力はさすがでCさんの居所が判明したのでした。早速、Cさんに連絡をしてお話を伺ったところ、数年前に事業に失敗して借金があり、夜逃げ同然で行方をくらませたために住所不定となっているとのことでした。幼少期に貧しい思いもしてきたので棚ボタ財産かもしれないけれど、遺産分割で財産がもらえるならば欲しいということでした。自身の実家の土地・建物の遺産分割の権利を主張しだした。
不在者財産管理人とは、、行方不明になっている人の財産を適切に管理する職務を負う人のこと。裁判所によって選任されます。
相続人が行方不明で遺産分割協議できないときにも、不在者財産管理人を選任すれば代わりに遺産分割協議に参加してもらって相続手続きを進められます。ただし、不在者財産管理人は裁判所の監督下におかれますし、報酬が発生する可能性もあるので注意が必要です。出典:相続会議 遺産分割協議に関わる不在者財産管理人とは 音信不通の相続人がいる場合の対処法 より
遺産分割協議に印鑑証明書を提出には住民登録が必要
しかし、遺産分割協議に必要となる印鑑証明書を提出していただくためには、住民登録が欠かせません。 登録すればまた借金取りに追われてしまうことになり、せっかく遺産が入っても手元に残らなくなってしまいます。そこで今回は住民登録が必要でない相続放棄の
手続きを家庭裁判所に申立てることとし、協力金と言う名目でAさんからCさんへ金銭を支払うことで解決いたしました。
弊社行政書士の独り言

相続人の人間関係が複雑なだけでなく行方不明者がいる場合は、とかく込み入った事情があるものです。ここでも遺言、特に公正証書遺言の必要性を強く感じた案件でした。
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