まさかの遺言書に不備が!?自筆証書遺言の落とし穴! これではダメですネ。
2022/03/14
まさかの遺言書に不備が!?自筆証書遺言の落とし穴! これではダメですネ。
ご相談当時の状況
- ご主人が亡くなられて、奥様が相談に来られました。
- ご主人の自筆証書遺言が残されておりました。
- お二人の間にはお子様がいないで、推定相続人は、ご主人の兄弟姉妹
- 相続財産は、不動産と金融資産
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本人自筆の遺言書!問題がありそうな自筆証書遺言
本人自筆の自筆証書遺言書をご持参になり、まずは裁判所において検認という手続きをしていただきました。
<検認(民法1004条)>
遺言書の保管者は、相続の開始を知った後、遅滞なく、これを家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなければならない。遺言書の保管者がない場合において、相続人が遺言書を発見した後も、同様とする。
自筆証書遺言の場合には、原則裁判所において検認手続きが必要です。
検認手続き後に内容を確認させていただきましたところ、『私名義の不動産と預貯金に関して、妻○○に相続させる』というものでした。
そこで、ご主人の遺産を全て調査させていただいたところ、証券会社に株式を所有していることが判明したのでした。
株券は遺産分割の対象!?株券は株券であって、預貯金ではありません
ご主人は、全ての資産を奥様へというお気持ちだったんでしょうけど、証券会社は、奥様からの解約手続きに応じてくれず、他の相続人から印鑑をもらって欲しいということで、株券だけご主人の兄弟姉妹との遺産分割をすることになりました。
義兄弟姉妹との、遺産分割協議は無事成立し、株券の解約へ
ご主人の兄弟姉妹とは、それほど密に連絡を取り合っていたわけではないのでどうなるかと思いましたが、弊社も間に入らせてもらってお話させていただき、ご協力いただく形で遺産分割協議は無事成立。
株券の解約手続きを進めることができました。
誰がどのような割合で遺産を引き継ぐのか、遺産の分け方について、遺言による指定がある場合には、これにしたがって分けることが多いでしょう。また、遺言がない場合には、民法に相続分の割合が規定されています。
しかし、相続人全員で合意すれば、遺言の内容や法定相続分とは異なる割合で遺産を分けることができます。このように、相続人全員で遺産の分け方についての話し合いをすることを、「遺産分割協議」といいます。
遺産分割協議は、相続人全員が合意しなければ無効です。行方不明の相続人を除外して行ったり、いわゆる隠し子が存在することを知らずにその子を含めずに行った遺産分割協議は無効となります。
出典:松谷司法書士事務所 『遺産分割協議』 より
弊社行政書士の独り言
遺言書には、自筆証書遺言と公正証書遺言のどちらかを選択してもらうことになります。
自筆証書遺言は、文字通り自分で書くというものです。
公正証書遺言は、公証人役場にて作成してもらいます。
自筆証書遺言では、作成者がこっそりと作成していることが多く今回のような内容の一部不備があったことで、遺言者の意思とは違うことが起こってしまいます。
作成についても、法律で決めれていますので、決められた通りの作成がされていないと、そもそも遺言書が無効になることもあります。
その点、公正証書遺言は公証人役場で作成しますので、内容の不備や作成上の不備は全くないといってもいいわけです。
どちらがいいかは遺言作成者が選択していただければいいのですが弊社に遺言作成のご依頼があった場合には、100%公正証書遺言の作成をお勧めしております。
今回の件も、公正証書遺言で作成した場合には、このような不備は防げたいのではないかと思います。
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